ニューシネマパラダ~イス

 

男は37歳にして難病に犯されていた。

いや、厳密に言うと37年間ずっとおかされている。

 

決して治ることのない難病指定の病。

病名「映画病」、感染源は男父だ。

初めて見た映画は「エイリアン」だ。男父の横で初めて見たのがエイリアンという衝撃作。男は当時、それが映画という概念がなかったもので世の中にはこのような世界が待っているのだと衝撃を受けたものだ。

 

幼稚園期:エイリアン、エイリアン2、プレデター

       (男は世の中の恐ろしさを知る)

小学期:「スタートレック」、「ナイトライダー」、「冒険野郎マクガイバー」、

     「超音速攻撃ヘリエアウルフ」、「刑事コロンボ」、

    (男は人間ドラマによって心を知る)

中学期:「ゴジラ」、「仮面ライダー」、「ウルトラマン

    (男はCGではないメイド・イン・ジャパンの【特撮】を知り、

     ヒーローのすばらしさを知る)

高校期:「羊たちの沈黙」、「ミザリー」、「セブン」、「スクリーム」、

     「ゲーム」、「シックスセンス

     (この頃、映画界もダークサスペンス期に入り、男も感化され、

      危ない考えに染まりだす)

大学期:「E.T」、「コクーン」、「ニューヨーク東8番街の軌跡」、

      「星の王子様ニューヨークへ行く」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー

      」、(リバイバル期、男は古きよき時代にこそ良きを知る)

大学期後半:「ライオンキング」、「美女と野獣」、「リトルマーメイド」、

       (男は歌ですべてを表現するミュージカルにどはまりする)

 

男の人生には常に映画があった。

恋、仕事、生き方。

仕事といっても映画を仕事にする気はなかった。それは小さいときから決めていたのだ。

しかし、仕事をしているとき、生活をしているとき、恋愛をしているとき、それぞれのシーンのシチュエーションにおいて、すべて映画に重ねて頭の中で自分を主人公に置き換える。

それゆえに男の人生にはドラマティックなことが多い。

これを引き寄せの法則というのだろう。

 

そんなことを思いながら男は思い出していた。

 

「よかったら、、、、新聞に人に映画のチケットもらったからさ、、なんやろ、、よかったら僕と映画行かへん?」

男は初めて女の子をデートに誘った。暗闇の中、彼女の家の玄関先についている電球だけが僕の赤面に気が付いた。

女の子は「ありがとう!!めっちゃ行きたい。でもその日は家族とごはん食べに行くねん。ごめんな~。また誘って~」

 

瞬殺だった!!!男は正直、自信。バイブルである漫画「BOYS BE,,,」を読んでいたから完全に自信があった。

なぜだ、、、なぜなんだ、、、おれはすでにBOYS BE,,,,,をすでに20巻読んだのに、しかも先週は最新刊も読んだのに!!!なぜなんだ。恋愛したこともないのに、恋愛マスターになった気になっていた男は動揺した。

しかし、男は思い出した。BOYS BE,,,,,13巻で主人公のヒロトもデートに誘ったが振られた、しかし女の子は恥ずかしくてついつい「うん」と言えず断った。しかし、映画を一人で見に行ったらなんとそこに彼女がいた!!好き同士は必ず引き合うんだ。

 

男はさしみしげだった背中を奮い立たせ、男の背中はジェントルになり濃い顔でありながら爽やかな笑顔で振り返り男はいった。

 

「家族と楽しんで!また誘うな」

 

男は爽やかに自転車にまたがり、時速500キロで走り出した。

男はすでに誘った当日に映画館に行くと彼女に会えると確証していた。

 

「楽しみだ~!!!!!」

 

当日、、、、、、、

 

男は映画館の階段の上で待っていた。いや、わざとらしく降りてきて偶然を装って会うことを想定していた。

 

だいじょぶ、おれにはバイブルBOYS BEがある。

どうしよ、どうやってキスしよ。すでに飛び越えてキスのシチュエーションを考えていた。バカだ!!

 

いやいや、来るわけないでしょ!!!普通ならそうでしょう。

 

しかし、男の人生は映画である。映画では必ず来るのです。

 

「めっちゃ楽しみやな!」

え?彼女の声だ。

 

彼女は来た!(実話。ほんまに来た)

これが運命なんだ。彼はこの時、すべての運命を感じた。

 

男はわずか1分くらいの間に彼女との人生を思い描いた。

今日付き合う➡結婚➡子供が生まれ➡子供の成人式➡子供の結婚式➡おじいちゃん、おばあちゃんで縁側➡死

 

➡の、瞬間。正常な男側が手を挙げた「男よ、意義あり。女は誰としゃべりながらあがってきているんだ?」

 

ん???たしかに。え?家族じゃないの?だって家族とごはん食べるって言ってたじゃん。

男はとりあえず柱に隠れて登場を見た。

 

男は次の瞬間、死を目指した。

 

レッドカーペットを進んできた男の腕にタコのように巻き付いて体を寄せている彼女だった。

え?だれ?介護の人?

男は隠れまくった。

男は隠れながらとりあえずトイレの大の個室に入り、「第34回男会議」を開始した。

男1「あれ誰?」

男2「彼氏だろ!」

男3「いやいや、家族とごはん言うてたあら、あれは家族やで」

男4「うん、家族よ!仲がいい私たちにウソをつくはずないじゃない!」

男5「家族と腕組む????」

男6「仲いいんやで!!」

男7「議長!!!裁決を」

男8「判決。家族」

 

男は常にポジティブだった。

 

男は劇場に入るや否や彼女と仮弟か仮兄を探した。が、しかし、ありがたいことに男の斜め前に座っていた。

男は映画など見ていなかった。なんの映画かももはや覚えていない。

が、1時間過ぎたころだろうか、、、、男は絶望した。

 

キスだ

キスなのだ。

唇と唇をつけるやつだ。

男はしたことがない。

イメトレは1万回した、

映画館でキ達成したいリストベスト10入りをなんなくしている。

これらをハッシュタグしてもいいくらいの状況が目の前に存在していた。

 

男はとりあえず、後にも先にも初めて映画の途中で劇場を出た。

そして、トイレに入り、個室で泣いた、

わりと泣いた。

 

男は思い起こせば、男女関係において結果成功したことがないことに気が付いた。

 

すべて、映画化可能なレベルである。

 

ゆえに、名言らしいことを言うと

 

「映画の数だけ涙と笑顔がある」

 

人生とは映画に等しい。

 

男はこれからもそうして生きていくだろ。

年間100本、レンタル本数は年間300本、

 

それを理解してくれる人と出会いたい!!!!!